お花のパワーで、自分らしく生きる人を応援したい!

お花には、私たちを輝かせてくれる、たくさんの“パワー”があります。

お花に触れ、香りを感じることで、リラックスした経験をお持ちの方も多いかもしれません。暮らしにお花があると、とても明るくゆったりとした気持ちになりますよね。ですが、お花がわたしたちに与えてくれるのは、「癒やし」にとどまりません。

お花は、自らの心を映す「鏡」でもあります。選んだお花で自分の心の状態や、本当に望んでいる生き方を知ることができます。

私はこれまで、花のパワーを心底実感する経験をしてきました。それらが私を突き動かし、現在のスクールソフィアでの活動につながっています。

荒れた学校でお花が引き出した、生徒の笑顔

お花のパワーで人が変わっていくのを最初に肌で感じたのは、私が中学校の教師をしている時でした。

当時の中学校はとても荒れた状態で、いわゆる「ヤンキー」風の身なりをした生徒が、金属バッドを持って職員室に乗り込んでくる、といった光景は日常茶飯事。夜中の連絡で警察へ駆けつけるのも、「よくあること」でした。授業どころではない毎日に、私は精神的に疲れ果てていました。

そんなある日、仕事終わりの夜中のスーパーで、ふと目に入ったお花を買いました。そして、そのお花を学校に持っていって、飾ってみたのです。すると何だかほっとして、とても温かい気持ちになりました。
私はうれしくて、それからというもの、枯れると新しい花を持っていき、常に「教室にお花がある状態」を続けていました。そして、他の先生の協力もあり、廊下やトイレなど、学校中にお花を飾るようになっていきました。

しばらくすると、生徒たちに変化が見られました。私が頼んだわけでもないのに、女子生徒が家からお花をもってきてくれたり、水を替えてくれたり。
さらに、ヤンキーのリーダーのような男子生徒も、自ら摘んできたお花をこっそりトイレに飾ってくれたのです。その姿を見ていた私は、感動して思わず「ありがとう」と彼に声をかけました。すると、「枯れてたからさ……」とつぶやき、照れ臭そうにはにかみました。
その時の彼の笑顔を、私は今でも鮮明に覚えています。

「不良」のように見える彼、彼女たちでも、心の中は純粋で、優しい気持ちがあるのだなと強く感じました。
そして、こうした人のプラスの部分、笑顔を引き出してくれるお花の素晴らしさを実感しました。

数年後、花を飾ってくれた男子生徒は、暴走族の闘争に巻き込まれて命を落としました。彼の家庭環境は厳しく、家ではお花と無縁の生活を送っていたと思います。学校でお花と触れ合うことがなければ、彼のあの時の笑顔はなかった……。彼の短い人生のなかで、お花を通してほんの少しでも心安らぐ時間があったこと。それが私にとって、せめてもの救いでした。

もう何十年も前のことですが、今でも思い出すと涙がでるほど、私にとっては忘れることができない出来事です。私がいま花に携わっているのも、この経験が原点になっていると感じます。

タイで再認識した「お花のパワー」

その後、結婚による転居のために教員を退職し、しばらく専業主婦をしていました。

そろそろ仕事を再開したいと考えていた頃、夫のタイへの転勤が決まります。最長でも3年間と期限付きだったため、2人の子どもとともに、家族みんなで滞在することを決めました。

「タイで何かを身につけて、帰国後の仕事に生かしたい」。そんな気持ちもあり、様々なことに挑戦しました。そのひとつが、フラワーアレンジメントだったのです。

元々お花が好きだった私は、アレンジメントを学びはじめるとすぐに夢中になりました。忘れかけていた「お花がくれる癒し」の感覚を思い出し、自分がとても元気になっていくのを感じました。

そして、作品を家に持ち帰ると、私だけでなく家族の心も和んでいったのです。夫も子どもも、異国の地で慣れない毎日を送るなかで、知らず知らずのうちに張りつめていたのでしょう。彼らの表情、声が、日に日に明るくなっていきました。
そこで改めて、お花がもつ「触れる人も見る人も癒す」パワーに魅了されていきました。

教室を開講後にオリジナルメソッドを研究
〜お花で自分を知り、なりたい自分になれると確信した日〜

日本に帰国してからほどなくして、私はフラワーアレンジメント教室を開講しました。当初はオリジナルメソッドではなく、アレンジなどを教える、ごく一般的な教室でした。

楽しみながら上達していく生徒さんの様子を拝見するのは、私にとっても幸せな時間でした。
ですが、徐々に生徒さんのなかに「気分がのらない日」「いつのものようには楽しめていない日」があることに気づきました。
私は、用意したお花がその日の気分に合わないのかもしれないと考え、フラワーセラピーについて学び始めました。

しかし、既存のフラワーセラピーの情報だけでは、私が思い描く“お花との触れ合い”は実現しませんでした。
私は、お花のパワーを受け取りながら、今の心の状態と向き合い、その人自身が本当に求めているものにたどり着けるセラピーを実践したいと考えていました。

そこで、自らの教室で様々な方法を試していきました。用意する花の種類を増やしたり、自分を知るための質問を変更したり、試行錯誤を繰り返すなかで、徐々にオリジナルメソッドの方向性が見えてきました。

そして、この模索期間に、生徒さんの変化を間近で感じ取ることができました。お花と心が深くつながっていることを、再度強く実感しました。

タイの人が教えてくれた「自分らしく生きる知恵」

オリジナルメソッドを研究するなかで、私がやりたかったことの本質は、「お花のパワーを存分に受け取りなら、心と向き合って自分らしく生きるための支援をする」ことだと気がつきました。

しかし、日本では、「自分らしく生きる」ことが実はとても難しいと、タイから帰国して以来、長らく感じていました。

タイの人は、「マイペンライン(問題ないよ!)」「アライコダーイ(何でもOK!)」という言葉をとてもよく使います。

タイの方は基本的におおらかで、細かいことは気にしません。3年間暮らすなかで、私も家族もこのゆったりとした雰囲気になじみ、楽しく暮らしていました。ずっと自由に生きてきたつもりでも、実は「当たり前」や「周囲の視線」に縛られていた自分自身にも気づくことができました。

そして、日本に帰国してみると、日本の「周りに合わせる」「全員同じが当たり前」という考え方が、非常に窮屈に感じました。私だけでなく、たくさんの人が「日本特有の常識」に苦しんでいるように見えました。

私たちが知らず知らずのうちに身につけてしまった「枠」を取り払うために、タイの人のおおらかで個々の違いを大切にする考え方が役に立つのではないか、と感じるようになったのです。そして、心理学の学びを深めるなかで、「タイの人の考え方」を具体的にどのように取り入れることができるか、検討していきました。

こうして、お花がももつパワーをベースに、タイの人の生きる知恵を組み合わせた「ドックマーイ(お花)セラピーⓇ」が生まれました。

思い込みや固定観念を手放し、自由に、本来の自分自身で生きる。

そのための必要なことがつまったメソッドです。

日本の女性は、ライフステージの変化から受ける影響が大きく、求められる役割もたくさんあります。
そんななかで、自分自身が本当に望んでいることが見えなってしまいがちです。

ですが、「お花」という身近なものから自分を見つめ、対話することで、望む未来に近づくことができます。

一人でも多くの女性が自分の意志に沿って社会とつながり、豊かに生きることができる。

お花の力で、そのためのサポートをしていくことこそが、私の使命です。